日本では『燃え尽き症候群』と呼ばれることが多いですが、ある一定の大きなことをやり遂げたときの達成感から心が燃え尽きた状態になってしまい、魂が抜けたようにボーッとするようになりやすいと言われます。上司やちょっと偉い人から、「このプロジェクトが終わったら、燃え尽きないようにゆっくり静養するようにな」なんて言われることもよくあると思います。
この"燃え尽きる"というのは、英語で言うと"burnout"と言いますが、日本での"燃え尽き症候群"というのと"バーンアウト症候群"というのは、多少意味合いが異なるようです。
『バーンアウト症候群』とは?
こちらが『バーンアウト症候群』についての原文にありますが、非常に興味深いことを書かれています。
参照元: Burnout Is Real: How to Identify and Address Your Burnout Problem
「Burnout Is Real: How to Identify and Address Your Burnout Problem」とありますが、"バーンアウトは現実に起きている、その認識と問題を突き止める"とあります。英語での"バーンアウト(burnout)"は「大きなストレスを持続的に受けることによる衰弱状態」を指すそうです。したがって、この記事は日本で言う『燃え尽き症候群』とは違い、英語での「バーンアウト」について書かれています。
『燃え尽き症候群』と言うと、気軽に静養取れば大丈夫だよ、と思われてしまっていますが、こちらの『バーンアウト』では精神科学上とても重要なことが書かれていると私は思いました。私も『燃え尽き症候群』と思ったこともありしたが、カウンセラーと話をしている中で、「あぁ、色々なストレスが積み重なって積み重なってうつ病になったのかもしれないな」と思っていました。
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バーンアウトであることはどうやって認識できるのか?
日頃のプライベートや仕事やいろんなことでストレスが溜まっていくことと思います。特に仕事や家族周りのことは心に掛かるインパクトが大きいので、体がだるく感じたり休みの日は一日寝太郎になったり、はたまた一日中眠くなってしまったり、ちょっとした異変に気づくことがあると思います。
そんな時人は、「あぁ、自分疲れてるんだなぁ。リフレッシュしないとダメだなぁ。」と思うことが多いと思いますが、"バーンアウト"するに至るまではストレスの積み重なりによって引き起こされるので、例えばコップ一杯があなたのストレス容量だとすると、それを超えたら"バーンアウト"状態になってしまいます。世の中には、そのコップがバケツだったりプールだったり容量が大きい人もいれば、マグカップやおちょこサイズの容量が小さい人も居るので注意が必要ですよね。(前者の方は羨ましい限りではありますが)
実際にバーンアウトしてしまうと、必要最低限のことも満足にできなくなってしまいます。本格的な「うつ病」と同じような状況ですね。休みを取ってリフレッシュすることもなくなってしまいます。あらゆることに興味が薄くなってしまい、趣味すらもはや趣味として楽しむことはできなくなってしまいます。
楽しそうなことが楽しめなくなり、些細なことが気になり、原因が分からずいつも心が晴れない…。日常的にこのような心境になり「もう自分はこういう人間で、この状況から抜け出すことはできないのだ…」と思うようになります。もちろん、バーンアウトの症状は人それぞれで、これらの症状がすべての人に共通するわけではありませんが、よく見られる症状を挙げると次のようになります。
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- 常に後ろ向きな気分で、何をしても好転しないような気分。
- 集中できない。
- 仕事や日常のタスクに関して無関心。
- もやもやした気分。
- 人に会いたくなく、一人でいたい。
- 運動や食事、睡眠など、健康的な生活を送るのが難しくなる。
- 何をやっても十分ではない気がする。
- 自分のニーズを無視し、人の世話ばかりしている。
- 今まで信じてきた価値観や理念に意味を感じられなくなる。
- 気が短くなる。
- 常に疲労感がある。
- 自分はダメな人間だと思う。
- 大切な人や物への関心がなくなる。
- 飽きっぽくなる。
- 心的な痛み、頭痛、長引く風邪など、原因がはっきりしない症状がある。
- 上記の症状があることを信じたくない。
引用元 : 燃え尽きて(バーンアウト)いませんか? 自分の異変に気づいて修正する方法
バーンアウトの原因を探る
自分自身が"バーンアウト"状態にあることは、非常に自分自身では分かりづらかったりします。日本の場合で言うと、一種の『甘え』という風に括られてしまうかもしれないと思う傾向があるからです。だから、『うつ病』のパンフレットを見ると周囲の人の気づきがとても重要だと書いてあったりするのですね。日本人は辛抱強いから、極限まで来て、否、極限を超えて自分自身が破綻している状態が分かるのです。
自身が"バーンアウト"していることを自覚したら、次はその原因を探る必要があります。まだ重度の"バーンアウト"状態でなければ意欲は湧くと思うのですが、重度の状態だとそれを探る気力さえ、ほとんど残っていません。そのため、やはり私は人の力を借りるのがいいと思っています。仕事のことでも、身内には大っぴらに話すことができないものも存在します。家庭内のことだってさえ、気の置ける友達にさえ話すのは気が引けることだってあります。
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そんな時は、カウンセラーや心理医療療法士など専門の聞き手と話をし、自分の心の奥底を見つめる作業を一緒に進めていくのがよいと感じます。私の場合は、カウンセラーとの対話を通じて心の中の【膿】を知ることができました。【膿】がひどい状態になっていたのは薄々感づいていたものの、人って嫌なことには蓋をしてしまうのでっすよね・・・。
もし、仕事のことで頭がいっぱいで他に手がつけられない状態になっているのであれば、あなたは何をしたいがために生きているのか、思い出したらどうでしょう?それが将来に繋がるものと確信を持って出来ているのであれば良いですが、そうでない場合は心療内科や精神科への受診をオススメします。
バーンアウトによるダメージを軽減するために
"バーンアウト"の状態になってしまうと、簡単に回復することは難しいと考えられます。別コラムでは精神疾患ではどのようなものがあるか書かさせてもらいましたが、例えば『適応障害』であれば、職場環境や家庭環境が変わればケロッと治ってしまう人もいます。(実際に私の友人でも、うつ病と診断されたにも関わらず、1ヶ月ほどで回復した人がいました)
しかし、必ずしも『うつ病』と同じ対策方法という訳ではありませんが、"バーンアウト"の状態になった際の対応策について書いておきたいと思います。
バーンアウトの原因を断ち切る
これまでの人生の中で積み上がってきた"ストレス"というものは目に見えません。ですが、心の中にはドンドンと溜まってきている訳です。しかもその"ストレス"というのは、時間が経てば軽減されるものがあれば、『何かをしないとダメ』というものもあります。
主に、長時間労働を繰り返していたために、"バーンアウト"の状態になってしまうことが多いとされています。それであれば、"仕事をしないで静養する"ということは休暇を使うなり休職するなりして対応が可能だと思います。しかし、トラウマに近いようなものだと、時間が掛かっても問題解決の糸口にならないこともあります。そういう場合には、そのトラウマの原因に組み込まれている【流れ】を断ち切ることをするという方法もあります。『心機一転』というやつです。
「"バーンアウト"かもしれないな」と思った場合には、躊躇せずに周囲に助けを求めください。友人や家族にサポートを求めれば、時間はかかっても問題解決の糸口が見つかるかもしれません。
いつもと違うことをしてみる
"バーンアウト"の状態になってしまうと、何事にも興味を持てなくなってしまいます。今まで楽しいと思えていたことですら、全く面白いと思えないどころか嫌になってしまうことだってあります。そんな時は、「昔やってみたいと思っていたことがあるけど、やってみたいかも」と思えることは、機会があれば試してみるのも大事です。つまらないかもしれません。しかし、普段と違うことをしてみるというのは、心の幅を広げる一助になるかもしれません。もちろんやる気は起こらないと思いますので、誰かに誘ってもらって、嫌かと思うかも知れませんが、試してみましょう。
健康的になる
仕事の業種/職種にもよると思いますが、特にデスクワークについては不健康になりがちです。普段からトレーニングをしている人は、不健康になることはありませんが、"バーンアウト"の状態になってしまっている場合には、健康ではないと状態の場合も多々あります。バーンアウト状態になると自分のニーズを軽視する傾向に陥りがちなので、そこで不健康な習慣が身に付いてしまうと、改善するのはかなり困難です。
もちろん、体を動かすことへのやる気は早々起きるものではないと思いますが、なるべく太陽の光をあびるようにし、簡単な用事でも良いので外に出て歩く程度のことでも大きな効果を及ぼすと考えられています。
気長に変化を待つ
日本人って焦りすぎな人が多いと思うんですよね。だから、「早く復帰しなきゃ」と思う人もいると思います。ただ、そうするとかえって自分を焦らせてしまうので、気長にゆっくり待つことを意識するようにしてください。もちろん、無限にそんなことをしていたら生活できなくなってしまうと思うので、その辺はもちろん周囲の人は頼りになる人、ご自身の財政状況と相談しながら、その中で気長に静養してください。
もちろん、精神疾患だと認定されれば各種医療制度や社会保険での支援もありますので、そういうものは使うようにしましょう。知らない人は世の中にはたくさんいますので、当サイトでも制度のところは見ておいてくださいね。特に自立支援の申請は早めにしたほうが絶対にいいです。
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